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長引く痛み へバーデン結節 CM関節症 膝・肘・足の痛み 肩こり 痛風 等に対する動注治療

[2024.07.28]

オクノクリニックとライセンス契約のうえ、町田で2023年11月より開始した動注治療(動脈注射、炎症を長引かせる異常血管だけを塞栓して潰す治療)ですが多くの方に受けていただき60症例(60人ではありません。お一人で3回受けられている方もおり、その場合3症例とカウントしています)を越えました。町田市、相模原市、大和市からいらっしゃる方が多かったですが、国立市、多摩市、稲城市、八王子市からもお越しいただきました。

へバーデン結節の方がとても多く、皆様こんなに長期間、多彩な症状や変形で困ってらっしゃるのだなと実感いたしました。2024年7月29日の時点でへバーデン結節33例(両手22例、片手11例)でした。へバーデン結節では、ほぼ全例で何らかの良い反応を得られました。皆様長年悩まれているだけに、動注後の小さな変化も感じ取り教えてくださいます。

奥野先生もコメントされていましたが、へバーデン結節はこの動注治療の反応が一番良く、一方でブシャール結節やCM関節症では若干難渋する傾向にあるそうです。私の実感としても同様でした。CM関節症7例、膝関節症9例、リスフラン関節炎1例、モートン病2例でしたが、この中で数例反応が悪かったり、一旦痛みは減るも元に戻った症例を経験しました。他、テニス肘1例、ゴルフ肘1例、足底腱膜炎5例、アキレス腱炎1例、肩こり1例でしたが全例良い反応を得られました。全体を通して8割ほどの患者様に良い反応が得られております。今後は肩こりや、痛風(尿酸値を抑えているにも関わらず、繰り返している痛風の方おられます)にも範囲を広げていきます。

お一人、非典型的でしたが、動注治療が奏功した症例がありました。この方は70代の女性で、最初は高血圧や足のむくみで来院されました。左手首に随分ときつそうにサポーターを巻かれていましたので、お聞きしたところ数年来の左手首の痛みがあり、さらに手首近辺に500円玉大の限局したむくみがありました。整形外科に数軒受診してきたものの、むくみの原因は不明、圧迫するしかないと言われたそうです。

分かりにくいのですが、青い丸で囲った部分が限局的な浮腫です。四六時中サポーターで圧迫されており、締めた跡も痛々しく見てとれます。私は下肢のむくみはたくさん診てきましたが、このような不思議な上肢のむくみは初めてでした。

エコーで観察してみますと、確かに皮下に限局した不思議な間質浮腫を認め、それに向かうように走行する異常血管を認めました。奥野先生が提唱するモヤモヤ血管(慢性炎症を遷延させる異常血管)が考えられましたのでR6年2月3日に動注治療をさせていただきました。すると、2月7日の診察時には(元々の痛みを10点とすると)8点に低下し、さらに2月26日には3点にまで低下し、あの不思議なむくみも小さくなっていきました。現在は痛みは無くなり、あのサポーターもしなくても楽に過ごせるようになり、元気に通院されております。

長引く痛みや炎症の背景にある異常血管(モヤモヤ血管)は、正常な血管とは異なり水分を血管内に保持できないと考えられています。その結果、周囲に水が漏れて腫れるわけです。へバーデン結節の動注後、多くの方が第一関節の腫れが軽減されたとおっしゃってくれますが、動注治療がその異常血管をつぶす治療ですので、漏れる水が減り腫れも引くというのは理にかなっています。これはまだ、私の個人的な印象ですが、下肢・膝の動注治療後にベーカー嚢腫(これもまた、水の溜まりです)が小さくなったと実感されている方がいらっしゃいます。時々、ベーカー嚢腫に何度も穿刺・排液をされている患者様にお会いしますが、ほとんどの方が水を抜いては溜まるを繰り返しています。抜いてもすぐに溜まる水は、それを供給している大元をつぶさないと治らない、それが動注治療の原理と繋がるように感じています。

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