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下肢静脈瘤からの出血

[2024.01.15]

一昨日、下肢静脈瘤からの出血をしたという方が受診されました。夜中に知らず知らずのうちに引っ掻いたのか?!気付いたら布団に血溜まりができており、びっくりされて救急要請されたようです。救急隊員によると予想される出血量は100 ccほどで、既に止血もされており、病院に行ってもすることなさそうとのことで搬送には至らなかったようです。私もその判断は正しかったと思います。写真のように出血したところは痂皮(かさぶた)があり、その周囲の静脈瘤はエコーでもしっかりと逆流所見ありましたので、硬化療法を施行しました。

硬化療法施行後1か月の写真(↓)になりますが、出血はしなくなり、蜘蛛の巣血管や色素沈着まで薄くなり喜んでいただけました。

時々、下肢静脈瘤からの出血は経験します。基本的には下肢を挙上(水平でも)して、しっかりと圧迫すれば出血は止まります。ですが、稀に大量出血することもあるようです。何年か前に、九州の施設からの症例報告論文で、輸血を要した方の報告がありました。抗血小板薬や抗凝固薬(いわゆる血液サラサラの薬)を内服されて、入眠中など出血に気付くのが遅れるなど不運なことが重なると大量出血もあり得ると思います。下肢静脈瘤に伴う湿疹や掻痒管理も、このような不意の出血を予防する観点から重要と再認識しました。

滅多に続かない下肢静脈瘤出血ですが、時同じくもうお一人いらっしゃいました。足の裏の下肢静脈瘤からの出血を繰り返しており、怖くて触ることができず皮膚乾燥や湿疹がひどい状況でした。

すぐに硬化療法を施行し、出血がしにくい状況を作った上で皮膚の保清・保湿・セルフケアをしていただいたところ、あっという間にきれいになりました。今後、残った静脈瘤に対してはグルー治療予定です。

年始の診療も無事スタートすることができました。今年も安全第一に、皆様のお役にたてるよう診療を継続していけたらと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

R6年1月15日現在で、R4年からの町田における診療実績ですが、グルー治療166例、ラジオ波焼灼治療51例、抜去切除術14例に達しております。

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