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下肢静脈瘤について

目次

下肢静脈瘤とは

足の静脈が蛇行し浮き出たものを下肢静脈瘤といいます。足の静脈内を流れる血液は、心臓や肺に戻るために重力に抗して上に向かって流れなくてはなりません。そのため足の静脈内には逆流防止弁が沢山あります。この弁が壊れてしまい、血液が下へ逆流するようになり、血管内に血液が滞ることで血管が膨れたものが下肢静脈瘤です。

下肢静脈瘤の検査

痛みのない、超音波検査(エコー検査)ですぐに診断できます。原則、受診当日に達医師の手でエコーをあてて診断します。大病院では、このエコー検査の予約だけで数週間先になることがありますので、当クリニックの強みといえます。

下肢静脈瘤の原因

足の静脈内には逆流防止弁が沢山ありますが、この弁が壊れてしまい、血液が下へ逆流するようになり、血管内に血液が滞ることで血管が膨れたものが下肢静脈瘤です。妊娠を経験された女性の方や、立ち仕事(調理師・理容師・デパートの店員さんなど)に長年従事されている方や高齢者がなりやすいと言われていますが、若い男性の方でも発症されることがあります。

下肢静脈瘤の治療

下肢静脈瘤治療といえば、私が心臓血管外科研修を始めた頃(2005年)はストリッピング(抜去切除術)といい、逆流した静脈をワイヤーに括りつけて引き抜く手術がメインでした。根本的に静脈瘤が無くなりますし良い治療なのですが、やはり侵襲的な治療で今はあまり行われません。

2014年に本邦でラジオ波焼灼術が導入され、私も多く手がけてきました。治療の良い点を多々実感してきました。少ないとはいえ、合併症も経験し対応してきました。良い点も悪い点も、患者様と一緒に歩んできた自負はあります。それゆえ、今後も私の治療選択肢としてあり続けると思います。

一方、最新のカテーテル治療はグルー治療(ベナシール治療)といい、2020年に認可された最新の治療です。とはいっても、治療に使われる医療用瞬間接着剤の歴史は古く、脳血管奇形の塞栓に使用されたり、皮膚縫合に使用されたりしてきた実績・安全性があります。私個人の感想ですが、当初「血管の中に接着剤を入れるなんて、いかがなものか」と敬遠していました。しかし、実際に携わってみると患者様の痛みも少なく、治療効果・満足度が高く、その良さを実感しています。下記に、それぞれの治療の特徴を私の私見も交えてまとめてみました。

ラジオ波焼灼術(カテーテル治療)

長所

本邦における治療経験が長い。異物を血管内に投与することがない。

短所・合併症

熱で血管を焼灼する治療であり、焼灼する血管に沿って長い範囲に局所麻酔の注射が必要です。この麻酔が足りないと、焼灼中に「熱さ・痛み」を感じることがあります。熱に起因する血栓症(エコノミークラス症候群)が術後合併症として挙げられます(3%ほど)。焼灼した血管はタンパク質変性・収縮からスジ状のひものように触れることがあり、「つっぱり」として感じることもあります。炎症の過程で血管が閉塞されていくと考えられており、術後に圧着ストッキングの着用が望ましいです。

グルー治療(カテーテル治療)

長所

熱に関連した合併症はない。血管内に投与し数分後には固まっているので、治療効果が早い。術後の圧着ストッキングは着用しなくてもいい。最初に針を刺す部分のみ、局所麻酔を打てばよく、ラジオ波焼灼術に比べ圧倒的に麻酔薬使用量が少ない。

短所

本邦における治療経験が浅い(※)。異物を血管内に投与することになるので、拒絶反応つまりアレルギー反応が合併症として問題となることがある(3%ほど)。※とはいえ2022年5月現在、本邦で1万例を超えています。

硬化療法(注射による薬剤投与)

1990年代後半に南ヨーロッパ~英語圏の国々で盛んに行われてきた由緒正しい治療法ですが、日本ではカテーテル治療が先に隆盛を迎えなかなか広まりませんでした。フォーム硬化療法が2016年に日本でも認可され、臨床経験が重ねられています。手術室に入る必要もなく、外来のベッドでできます。

カテーテルが入りにくい細い静脈や、くねくね蛇行した静脈瘤の治療に適しています。カテーテル治療の後、追加治療として行うこともあります。

下肢静脈瘤の主な症状

むくみ

むくみは、下肢静脈瘤の代表的な症状です。ボコボコ浮き出た血管が無くても、エコー検査で静脈逆流が見つかり、治療に結びついた症例は数多くあります。術後、むくみにくくなりますが、むくみ予防のケアを継続することが大切です。

足が重いだるい

下肢静脈瘤は血液が足先に逆流する病気ですので、下肢に多くの血液を抱え込み、重たい足で生活されているのです。治療で逆流が取れた後、「足が軽くなった」と喜ばれる患者様も多いです。勿論、治療効果の感じ方は千差万別で、すぐに感じてくださる方もいれば、徐々によくなったと感じる方もいらっしゃいます。

湿疹

血液がうっ滞することで起きる皮膚炎です。「うっ滞性皮膚炎」という診断名がつきます。重症の方は皮膚科専門医に紹介し、術前の皮膚科治療を先行することもあります。皮膚科で長年診てもらっているが、なかなかよくならない皮膚炎・湿疹の方は血管外科外来に一度受診されてください。

こむら返り

下肢静脈瘤の有名な症状の一つです。長年こむら返りに悩んでいた方も、手術当日から消えて喜ばれた患者様を多く見てきました。治療してよかったなと思える瞬間です。こむら返りが消えることで、「夜ぐっすり眠れるようになった」「こむら返りに襲われる恐怖から解放された」「久しぶりに自分の足という感じがする」と言ってもらえたこともありました。

冷え性

冷え性は、多くは動脈の血流低下で起ります。足の動脈硬化=閉塞性動脈硬化症(ASO)で足指先への血流が低下して起ります。ですが、意外にも静脈瘤の方でも冷え性を訴えられる方いらっしゃいます。下肢静脈瘤治療後に冷え性がよくなった方も経験しています。

かゆみ

下肢静脈瘤の患者様によく見られる症状です。だいたい皆様、かゆくて掻いて傷だらけの足になっています。掻いても、皮膚のバリアが壊されて感染を起こしやすくなり、いいことは全くありません。皮膚科の治療を合わせながら下肢静脈瘤治療をすると、皆様大概よくなられます。

足が疲れやすい

逆流した静脈血をたくさん足にため込みながら皆さん生活をされているので、足に重しをつけて日々トレーニングしているようなものなのです。個人差は勿論ありますが、下肢静脈瘤治療後、翌日から「足を上げやすくなった、坂道を歩きやすくなった、階段を昇りやすくなった」との声を聞きました。

膝や腰を痛めている

膝や腰の手術までして、長年整形外科に通って頑張っているのに、なかなかよくならない。そんな方の中に下肢静脈瘤が隠れていたこと多々あります。下肢静脈瘤治療後に、「膝がよくなった」「膝の水を抜いてもらう頻度が減った」という方経験しております。

傷がなおりにくい

傷がなかなか治らない、ということで皮膚科の先生から下肢静脈瘤の患者様を紹介いただくことがあります。実は、静脈瘤だけでなくASO(足の動脈硬化)でも傷の治りにくさは起ります。血管の治療をしながら、傷の治りやすい下地作りをしていきましょう。

色素沈着

長年の下肢静脈瘤を放置されていた方に、茶色い色素沈着をみとめます。これは下肢静脈瘤を治したからといってすぐに消える訳ではありません。しかし、下肢静脈瘤を治さない限り決してよくなりません。下肢静脈瘤治療後に、時間はかかりますが、ゆっくりと薄くなっていった症例はあります。

下肢静脈瘤の種類

蜘蛛の巣状静脈瘤(1mm以下)

ちりちりとした初期の下肢静脈瘤です。これをきっかけに受診して下さる方が多いです。蜘蛛の巣血管はなかなか針を刺しづらく硬化療法の適応にしにくいです。

網目状静脈瘤(1-2 mm)

もずくくらいの太さになってきますと、針を刺せますので硬化療法をすることが可能になります。メスを入れて切除するには小さくて難しいです。

側枝型(そくしがた)静脈瘤(2-3mm)

これくらいの太さになると、メスで切って結紮切除することが可能になります。硬化療法でも可能なこともあり、どちらにするか悩むこともあります。ご相談しながら治療を決めていきます。

 

伏在型静脈瘤(4 mm以上)

ここまで大きくなるとカテーテル治療をしたり、結紮切除をします。まっすぐな静脈瘤はカテーテルを挿入出来るのですが、くねくね蛇行した静脈瘤は私は各々1cm程の小さな傷で結紮切除するようにしています。

 

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