「採血困難相談外来」 エコー下穿刺採血 超音波で観察しながらの安全な採血
地味な活動ですが、当院には採血困難者の受け皿になるべく、採血困難相談外来があります。採血のたびに、「よい血管がない」「血管が細い」「何度も刺されて失敗される」とお悩みの方がどんなに多いことでしょう。当院では採血困難な方には血管エコー(超音波検査)にて観察しながら、安全に一回で針を刺す「エコー下穿刺採血」を行っております。きちんと超音波機器(エコー)で観察をすれば、良い血管(静脈)が見つかり、そのままエコーで観察しながら一回で採血することができます。
院内掲示している、自筆のポスターです。多くの患者様から自筆の感想をいただく中、自分だけ書かないのはよくないなと思い、書いてみました。
この活動を通して、こんなに良い血管があるのに何故これまで失敗され続けてきたのだろうかと不思議に思うことがあります。そして、私たちが採血の時にもう一つ気をつけていることがあります。それは駆血(くけつ)といって採血の際腕を縛る作業ですが、なるべく弱めにするように心がけています。「血管が見えにくい」とされてきた患者様は、採血の際にかなりきつく腕を駆血されてきており、それもまたストレス・トラウマになっているのです。腕をきつく締めあげることで、少しでも血管を太く張らせて見つけようという伝統的な作戦ですが、エコー下穿刺は軽く駆血するだけで十分血管を見つけることができるので不要です。きつく縛ったうえで血管穿刺を失敗するとそれだけ血液がたくさん血管の外に漏れますのでアザ(皮下出血)もできやすくなります。採血ミスの後に痛々しいアザになっている方をお見かけしますが、そのような機序だと思われます。
何回も失敗されるのがトラウマになり、本当は採血をしなければならないことがあるのに遠ざかっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方々に一人でも多く、当院の技術がお役に立てたら嬉しく思います。お気軽に採血困難相談外来にご相談ください。