当院が選ばれる4つの特徴
①循環器専門医・心臓血管外科専門医による安全な治療
当院は、下肢静脈瘤血管内焼灼術実施施設、下肢静脈瘤ベナシール実施施設に、認定されております。私自身は、下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医であり、自分が施術を行うだけでなく、後進に指導する立場でも治療にあたっております。
2014年から本邦で認可された「ラジオ波焼灼術」を多く手がけてきており、これを得意としています。2022年には、施設・自身ともに、下肢静脈瘤ベナシール実施認定許可をいただき、実際に治療開始し、軌道にのせております。ラジオ波・グルー治療(医療用接着剤)・硬化療法などを、各患者様の病態・ご希望に添って治療提供させていただきます。
②グルー、ラジオ波、硬化療法など最適な治療法をご提案
下肢静脈瘤治療といえば、私が心臓血管外科研修を始めた頃(2005年)は、「ストリッピング(抜去切除術)」という、逆流した静脈をワイヤーに括りつけて引き抜く手術がメインでした。根本的に静脈瘤が無くなりますし良い治療なのですが、やはり侵襲的な治療ですので、今はあまり行われません。
2014年に本邦で「ラジオ波焼灼術」が導入され、私も多く手がけてきました。この治療の良い点を多々実感してきました。また、少ないとはいえ、合併症も経験し、対応してきました。良い点も悪い点も、患者様と一緒に歩んできた自負はあります。それゆえ、今後も私の治療選択肢としてあり続けると思います。
一方、最新のカテーテル治療は「グルー治療(ベナシール治療)」といい、2019年12月に認可された最新の治療です。最新とはいっても、治療に使われる医療用瞬間接着剤の歴史は古く、脳血管奇形の塞栓に使用されたり、皮膚縫合に使用されたりしてきた実績・安全性があります。
これは私個人の感想ですが、当初は「血管の中に接着剤を入れるなんて、いかがなものか」と敬遠していました。しかし、実際に携わってみると、患者様の痛みも少なく、治療効果・満足度が高く、その良さを実感しています。下記に、それぞれの治療の特徴を、私の私見も交えてまとめてみました。
ラジオ波焼灼術
長所
本邦における治療経験が長いです。
短所・合併症
熱で血管を焼灼する治療であり、焼灼する血管に沿って、長い範囲に局所麻酔の注射が必要です。この麻酔が足りないと、焼灼中に「熱さ・痛み」を感じることがあります。
熱に起因する血栓症(エコノミークラス症候群)が、術後合併症として挙げられます(3%ほど)。焼灼した血管は、タンパク質変性・収縮から、スジ状のひものように触れられることがあり、「つっぱり」として感じることもあります。炎症の過程で、血管が閉塞されていくと考えられており、術後に圧着ストッキングの着用が望ましいです。
グルー治療
長所
「ラジオ波焼灼術」でのような、熱に関連した合併症が起こりません。血管内に投与し、数分後には固まっているので、治療効果が早いです。術後の圧着ストッキングは着用しなくてもいいです。最初に針を刺す部分のみ、局所麻酔を打てばよく、「ラジオ波焼灼術」に比べ、圧倒的に麻酔薬使用量が少ないです。
短所
本邦における治療経験が浅いです。異物を血管内に投与することになるので、拒絶反応つまりアレルギー反応が、合併症として問題となることがあります(3%ほど)。
このように書くと、「グルー治療」のほうが良さそうですね。痛みと麻酔薬投与量が少ないという観点から「グルー治療」を選ぶ方が増えています。手の力が弱く、圧着ストッキングをはけないという高齢者も「グルー治療」がいいと思います。過去に血栓の問題が起きたことがある方も「グルー治療」がいいでしょう。
なお「ラジオ波焼灼」がいい方も間違いなくいらっしゃいます。アレルギー体質の方や、アレルギーを心配される方は「ラジオ波焼灼」がいいでしょう。不整脈や脳梗塞の既往あり、抗凝固薬や抗血小板薬(血液をさらさらにする薬)を既にのまれている方は血栓合併症に対しては有利であり、「ラジオ波焼灼」でもいいかもしれません。また私個人の見解ですが、近々妊娠する可能性のある女性の方も「ラジオ波焼灼」がいいと思います。血管の中に投与されたグルーは、完全に吸収され消えるまでは時間がかかります。
硬化療法
ポリドカスクレロールという、薬(硬化剤)を血管内に投与して、炎症を起こして下肢静脈瘤を潰してしまう治療です。カテーテル治療が難しい、くねくね蛇行した血管や蜘蛛の巣血管などが対象になります。手術室に入らずとも、外来診察室にて5分ほどで終わる治療です。適応とご希望があれば、提案させていただきます。
③誠実なアフターフォロー
頻度は少ないのですが、治療にはどうしても合併症がつきものです。この合併症が起きていないかの術後フォローや、合併症が起きた時の対応も、誠実にさせていただきます。なお他院で施術された方の合併症や再発についても、対応が可能です。紹介状は不要です。
また、治療適応がない方に対しても、適切なフットケアや投薬で診させていただきます。実際、動静脈奇形(難病)でカテーテル治療は断念したものの、弾性ストッキングや漢方薬で、当院に通院されている方もいらっしゃいます。
難しい病態でも、加齢のせいにして終わりにしたり、「もう来なくていいです」と突き放したりすることはございませんので、根気よく通院されてください。お付き合い致します。
④安心のバックアップ体制
当院で行うことができる治療は、局所麻酔での日帰り治療になります。しかし、中には局所麻酔で完遂するには難しい重症例もあります。時間がかかりそうな難しい症例は、入院治療・全身麻酔の方がよいこともあります。
私は、全国屈指の循環器病院、大和成和病院(大和市南林間)に非常勤務していた経歴があります。重症例や全身麻酔をご希望の方は、大和成和病院他、近隣病院での手術をお勧めすることがあります。